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民医連関西初期臨床研修共通プログラム<2004年度>

◇内科・循環器研修(3ヶ月)

1.GIO(一般目標)

 現在、私達が第一線医療機関として経験する循環器疾患は、「働き盛りの虚血性心疾患」と「高齢者の心不全」が多くを占めます。その他、先天性心疾患、心筋症、弁膜症、不整脈なども経験します。

 現在の労働環境において虚血性心疾患を抱えながら社会復帰することの大変さや、独居老人が多い中での高齢者心不全管理の難しさなど、単に疾病だけを理解するのではなく、社会のあり方との関わりの中で、循環器疾患を抱えながら生活する人々を総合的に理解し、医師として対応してゆく能力を身に付けます。


2.SBOs(行動目標)
  1. 循環器疾患の問診、理学所見が充分に取れること。
  2. 問診、理学所見と心電図、胸部レ線という基本的検査を組み合わせることにより、一定の鑑別診断が出来るようになること。
  3. 更なる検査の適応と解釈、合併症について理解すること。
  4. 頻度の高い循環器疾患の基本的マネジメントを行えるようになること。
  5. 循環器疾患患者の抱える社会的問題について理解すること。
3.学習方略
=循環器疾患の基本的マネジメント=

 循環器疾患は虚血性心疾患、高血圧性心疾患、心筋疾患、弁膜症、先天性心疾患、不整脈に大別されますが、経験する頻度が高いのは、虚血性心疾患と、心疾患が最終的に行き着く心不全という病態です。また経験する頻度は高くないものの、経験して十分な学習を行わなければ理解が比較的困難なものに永久ペースメーカーがあります。


<経験すべき疾患・病態>

(A)必ず経験すべきもの
  1. 急性心筋梗塞(亜急性期):2例以上(前壁梗塞、下壁梗塞のうちいずれかを含むことが望ましい)
  2. 狭心症:2例以上(冠れん縮性狭心症を含むことが望ましい)
  3. 心不全:6例以上(基礎疾患は虚血性心疾患、高血圧性心疾患、心筋症を含むことが望ましい)
  4. 心房細動:基礎疾患の異なる3例以上(1例は除細動を行う例が望ましい)

  5. (B)機会があれば経験する

  6. 永久ペースメーカー植え込み術(洞不全症候群、完全房室ブロック)
  7. 弁膜症(僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全)
  8. 拡張型心筋症、肥大型心筋症
  9. 心房中隔欠損症

*基本的マネジメント能力とは、「病態を理解し、病態に即した治療方針が選択できること。治療法の副作用、合併症について理解していること。機能障害の程度を把握し、適切な生活指導が出来ること。」とします。この能力を、各種循環器疾患の講義、医長回診、カンファレンス、そして研修医の日々のたゆまない診療と学習により培ってゆきます。


=問診、理学所見、心電図、胸部レ線=

 これらは実際の患者さまから学ぶことが非常に大切です。病棟回診やカンファレンスにより実地指導し、カンファレンスにおいては特に心電図と胸部レ線の読影を重視し、非典型例も含めて鑑別診断をする能力を身に付けます。


=経験すべき検査・手技=
(A)自分で出来る
<運動負荷心電図>

 適応、方法、合併症について講義したのち、トレッドミル運動負荷試験を自らが行えるよう、研修します。

<心エコー図>

 心エコー図の所見の意味を理解し、ベッドサイドでのポータブル心エコーを自らが行えるよう、研修します。


(B)見学、適応の理解
<心臓核医学検査>

 適応と解釈の方法について、講義とカンファレンスにより指導します。

<心臓カテーテル検査>

 適応と解釈の方法、合併症について、講義とカンファレンスにより指導します。

<経皮的冠インターベンション>

 適応と解釈の方法、合併症について、講義とカンファレンスにより指導します。

  
=社会制度の理解=

 循環器分野に関わる社会制度には以下のものがあります。

  1. 身体障害者認定(心臓障害)
  2. 更正医療制度(経皮的冠動脈形成術)
  3. 障害者年金制度(心臓障害)
  4. 厚生労働省指定特定疾患(特発性拡張型心筋症)

 これらの全ての書類を自らが記載する機会はないと考えられますが、内臓機能障害という外から見た目には分からない障害を抱えて生活、労働する循環器疾患患者を少しでも支える制度として、十分理解する必要があります。講義にて学習し、機会があれば主治医として、指導医の指導のもとで書類を記載します。



=退院患者さま訪問=

 12週間の研修中に2名の退院患者さま訪問を看護師と共に(出来れば指導医も)行い、患者さまが退院後に実際どのような療養生活を送っているかを知る機会とします。訪問後に指導医へのレポート提出を行います。


4.評価

 研修到達の評価は、研修の中間時点と終了時点において、研修医自身の総括、自己評価と、指導医、病棟婦長の評価により行います。別に定める評価のための「耳原総合病院循環器内科基礎研修評価表」を研修医、指導医ともに携帯し、日々の到達点の確認を行ってゆきます。


5.学習指定教科書
  1. 循環器分野全般:「循環器疾患最新の治療2002-2003」南光堂、篠山重威編
  2. 運動負荷心電図:「心臓病と運動負荷試験」中外医学社、斎藤宗靖著 または「運動負荷心電図―その方法と読み方―」医学書院、川久保清著
  3. 心エコー図:「心エコー法 マスター・ガイド」診断と治療社、木村満著



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