シニアレジデント研修・概要紹介
■はじめに
私たちは基本的に基本研修の2年間に加え、3年目以降のシニアレジデント研修が一貫性を持って行われることが大変重要だと思っています。医療現場では覚えること、体験しなければならないことがたくさんあります。プライマリケアの基本的能力を獲得するためには実は3年目以降の研修が大切です。2年間の主に病院中心の研修の後に、地域の第一線の医療機関で研修を上積みすることよって、プライマリケアの研修の質を高めるとともに医師としての自立を促すことにもつながります。
そこで私たちの医療機関は、3年目の当初6ヶ月間をプライマリケア総合研修期間として位置付けました。内科医を目指す医師は、プライマリケア総合研修の後、より専門的な研修と地域医療を中心とした内科研修を行います。外科、小児科などを目指す医師は、プライマリケア総合研修の後、各専門分野の研修を開始する事を原則とします。
■研修目標
1)プライマリヘルスケアを重視した研修
わたしたちの医療機関では、「患者の人権を守る基本的、総合的な診療能力の獲得」を目指した研修を行っています。「プライマリケア」としての診断治療能力と、「ヘルスケア」としての「健康に生きるための権利を守る視点」を身につけることが臨床医に求められています。患者をとりまく情勢は複雑です。病気だけでなく介護問題、リストラによる生活困窮などさまざまな問題が患者やその家族に発生しています。患者を全人的にとらえ、患者とのコミュニケーションや信頼関係を構築することは研修医が主治医としての能力を獲得する上で重要なことです。
2)チームリーダーとしての力量を身に付ける
医療は他職種との協力ですすめなければなりません。お互いに対等平等の関係を保ちながら医療を行っていくことが大切です。そのために、研修医が集団医療のなかでリーダー性を発揮する能力を身に付けることです。カンファレンスを重視し、他職種の意見も聞き入れながら治療方針を決めていくことも必要です。特に高齢者の在宅医療やリハビリについては様々な社会資源の活用が必要になり、ケースワーカーとのかかわりが重要になります。
3)問題を解決する能力を身に付ける
シニアレジデントになると、いろんな患者のかかえている問題点をどう解決するかを判断しなければなりません。診断、治療の適応における問題解決だけでなく、患者の社会的、経済的な問題点を総合的に解決する能力が求められます。主治医として患者に責任を持つ姿勢を追求するなかでこそ、総合的な問題解決能力が獲得できます。このため、病棟で受け持ちになった患者は、出来るだけ自分の外来で診療し、在宅医療も含め様々な問題点に対して主治医として解決にかかわるようします。
4)専門性と総合性の調和のとれた医師養成
民医連の医師集団は、専門性と総合性を対立させて捉えず、集団の力でバランスよく統一して追求します。一般に専門分化が大きな流れになっている状況の中では、総合性はより意識的な追求が必要であり、そのために私たちは、一人ひとりの医師が患者を総合的に診る力量を高め、医師集団として診療科を越えた協力を強めています。
■プライマリケア総合研修
1)病棟研修
プライマリケア総合研修では、病棟研修は、内科の専門分野別病棟ではなく、混合内科病棟で6ヶ月間研修を行います。診断の確定していない患者、重症患者、在宅医療へ移行する患者、ターミナル期の患者などを担当します。また、リハビリ病棟についても研修していきます。この中で、内科一般の幅広い問題解決能力の習得を目標とします。
2)外来研修、当直研修
外来や診療時間外診療で小児から高齢者までさまざまな疾患の対応が求められます。内科や外科医師であっても小児疾患を診なければならないことがよくあります。逆に小児科医師であっても大人の患者や外傷も診なければなりません。地域に責任の持つ医療機関として私たちは、診療科を超えてできるだけ患者の要求に応えるよう努力してきました。研修医にはそのための研修ができるよう、基礎研修で小児科、外科研修を必修としていますが、当院でも最低必要な知識と技術を身につけてもらえるようなシステムを作りました。プライマリケア総合研修には、他科の外来を中心とした研修を取り入れより幅の広い研修を義務付けて、プライマリケアの外来、救急対応の獲得を目指します。
■研修期間
| |
基本研修 |
シニアレジデント研修 |
| |
1年目 |
2年目 |
3年目
6ヶ月 |
3年目
6ヶ月 |
4年目 |
5年目 |
| 内科 |
総合研修
(内科
外科
救急)
和歌山生協病院 |
小児科
産婦人科
精神科
地域医療選択研修
労災病院
耳原総合病院
吉田病院
和歌山生協病院
|
プライマリケア総合研修 |
内科後期研修
(和歌山) |
| 外科 |
外科後期研修
(和歌山) |
| 小児科 |
小児科後期研修
(和歌山) |
小児科後期研修
(出向) |
| 他科 |
専門研修
(出向) |
研修施設 和歌山生協病院 149床
内科、外科、小児科、循環器科、消化器科、呼吸器科、神経内科、肛門科、放射線科、理学療法科、アレルギー科、リウマチ科
- 6診療所(生協病院附属、中之島、生協芦原、河西、おおみや、生協こども)
- 2訪問看護ステーション(レインボー、生協みなみ)
- 1在宅介護支援センター