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大阪民医連後期研修(シニア研修)・募集要項

■家庭医・プライマリケア医コースカリキュラム

【はじめに】

 気軽に何でも相談できる医師にかかりたい、というのは多くの患者が望んでいることです。しかしこれまで日本の医師養成は、専門医養成に重点が置かれ結果としてほとんどの「かかりつけ医」がプライマリケア医としての研修を行うことなく実際に「かかりつけ医」になってから独学で能力を身につける必要がありました。そうした状況から、日本でもようやく家庭医療学会の尽力で家庭医養成後期研修プログラムの認定が始まりつつあります。臨床研修の必修化によって日本の研修医はこれまでより幅広い臨床能力を初期研修で獲得することが可能になりましたが、さらにそれを深め地域で医療ができる家庭医・プライマリケア医になるためには、そのために特化した後期研修を受けることが必要です。
 大阪民医連は現在大阪府下に48の診療所を有しており、診療所をベースにした医療活動を展開できる条件は整っていますが、これまで多数の診療所医師を輩出していますが、本格的な家庭医の養成は緒に就いたところであり、他の進んだ施設とも協力しながら、地域で医療の行える医師の養成を進めます。
 なお、この研修プログラムは、日本家庭医療学会の認定後期研修プログラム(2006年2月Ver.1公表)の内容に沿って、当地域・当施設の特徴を生かすことを意識して作成しました。


【一般目標Goals】

後期研修を終了した医師が、地域の中で診療所長もしくは小規模病院の総合医として医療・介護・保健活動を行っていくために必要な知識・技能・態度を修得する。


【個別目標Objectives】

1. 「患者中心の医療」の方法を理解し、実践できる。
2. 質の高いコミュニケーション能力を身につけ、良好な医師−患者関係を構築できる。
3. 家庭医・総合医に必要とされる基本的身体診察の技能を修得する。
4. 求められるEBMの理論と方法を理解し、日々の医療活動の中で活用できる。
5. 小児、思春期、高齢者、女性などの特性と独自のアプローチ法を理解する。
6. Common Problem(医学的問題だけでなく、心理的・社会的・倫理的問題も含む)に対する対処法を理解し実践できる。
7. 家族のライフスタイルを理解し、家族志向のケアが実践できる。
8. 自らの医療機関だけでなく地域の医療・介護・保健のチームの中で地域包括ケアを必要な患者に対し提供できる。
9. 医療経営の評価ができる。
10. 健診、予防接種、介護保険制度のシステムを理解し活用できる。


【研修プログラム名と責任者】

大阪民医連後期研修プログラム:家庭医・プライマリケア医養成コース
研修責任者:大島民旗(ファミリークリニックなごみ(以下FCなごみ)所長、日本プライマリケア学会研修指導医、日本内科学会専門医、日本呼吸器学会専門医)


【プログラムの特徴】

1. 研修の中心となる診療所は、06年4月に開設した診療所で、民医連で始めて「ファミリークリニック」の名称をつけ、家庭医療の実践を開設当初から目指しています。旧西淀川区の竹島診療所を閉所して開所したため、そちらの患者も含め診療圏を持っています。また在宅患者は70名前後で、訪問診療を活発に行っています。
2. 診療所のある大阪市淀川区は、町工場と古くからの世帯に、JR東西線開通により新築マンションが増え、労働者、高齢者、子供とさまざまな年齢層の住民がおり、診療所の医師が研修するには最適な地域です。ただし都市部ですので、耳鼻咽喉科・眼科疾患や産婦人科疾患を継続して診る機会はやや乏しいといえます。
3. 研修プログラムは小規模病院の小回りの利きやすさを生かし、病棟研修の間に小児科、皮膚科など外来研修を週1単位組み込む形式をとっています。このほうが大規模病院で1ヶ月クールでブロック研修を行うより、プライマリケアの要素の「継続性」を学ぶことができます。
4. 民医連は協同組織(医療生協、友の会)に支えられており、そうした地域の住民の視点からの医療機関へのかかわりを学ぶことができます。


【研修期間と受け入れ定数】

2年間の初期研修終了後の医師(終了直後でなくてもよい)
3年間、定数毎年2名


【研修場所】

必修:FCなごみを中心に、同一法人(淀川勤労者厚生協会)の西淀病院(258床)、老人保健施設「よどの里」、訪問看護ステーション
選択:耳原総合病院、コープおおさか病院、東大阪生協病院、尼崎医療生協病院、など


【研修ローテーション】

研修ローテーションは3年間終了時のアウトカムが、一般目標に到達するように設定します。
後期研修希望者の試験(面接、医療面接、筆記)を行った後に、採用通知で連絡し、その後プログラム責任者とヒアリングを行い、ローテーションを決定します。
ローテーションの変更希望は、3ヶ月前までに希望を伝えていただき、大阪民医連研修委員会で確認します。


後期研修1年目

内科総合研修:内科総合(混合)病棟(耳原総合病院or西淀病院orコープおおさか病院で6ヶ月以上)に加え、臓器別病棟のローテーション(上記+東大阪生協病院:3〜4ヶ月)。呼吸器・循環器・消化器・神経リハ・内分泌/代謝・感染症について特に初期研修で経験が不足した分野を中心に研修することが望ましい。救急・終末期医療を主治医として経験する。総合(混合)病棟では1年目研修医の副指導医を行う(後期2年目に行ってもよい)。
外来研修:救急外来を所属の病院で週1〜2回行う。一般外来はFCなごみで、所長の診察日にペアで診療。初期研修で外来診療を経験していない研修医は、見学→診察前に相談の段階的研修。終了後フィードバック。
週1単位の訪問診療。見習いを数回行った後、指導医がすぐに相談に乗れる環境で実施。終了後フィードバック。

後期研修2年目

内科研修の継続。
救急外来研修を週1単位程度継続。一般外来研修はFCなごみでの研修を継続する。所属の病院で整形外科、皮膚科、泌尿器科などプライマリケアの現場でよく遭遇する症状の対処ができるように研修を行う。初期研修で必修の外科・産婦人科・小児科・精神科の不足部分を補う(後期1年目に行ってもよい)。
在宅研修を希望に応じ継続して行う。
後半からより診療所にシフトし、一般病棟の入院患者の受け持ちをせず、診療所の外来研修により比重を置いた研修に移ることができる。(慢性期病棟の入院受け持ちは可能)
1〜2週間程度老人保健施設、訪問看護ステーションなどの研修を行う。

後期研修3年目

FCなごみでの研修(6ヶ月以上)。所長のいない日の外来も行う(終了後フィードバック)。
近畿の民医連診療所の研修(1ヶ月程度)を希望によって行う。
全国の家庭医養成プログラムを実施している施設の研修(3〜6ヶ月程度)を研修医の希望を元に実施する。研修費用は大阪民医連で負担する。

その他(3年間を通じて実施する内容)

地域の住民対象の健康教室
地域の住民の集まり(健康まつりなど)への参加
老人保健施設・特別養護老人ホーム・グループホームなどの企画(運動会など)への参加
企業検診など健康増進活動への参加
行政交渉(保険料値下げ、生保申請など)への参加
地域保健医療研修を行う初期研修医の相談役
学会・セミナー参加(家庭医療学会、プライマリケア学会など)
指導医講習会の修了
研究活動(家庭医療学会もしくはプライマリケア学会での発表)
大阪民医連後期研修医会議に参加
大阪民医連で初期研修を終了する場合
大阪民医連で初期研修を行う研修医は、小児科3ヶ月(全員3ヶ月)、産婦人科3ヶ月(基本は1.5ヶ月)、精神科3ヶ月(基本は1.5ヶ月)の研修を初期2年目に行うことが望ましい。
初期研修中の地域保健医療研修はFCなごみ以外の診療所での研修が望ましい。


【評価とフィードバック】

外来研修で受け持った患者は、後期研修1年目は全例、2・3年目は初診患者の全例をフィードバックする
各科研修では事前のニーズ評価を行い、3ヶ月以上の研修期間は中間と終了時の評価を行う。
診療所のフィールドではポートフォリオ形式で週1回の振り返りを行う。


【研修修了後の進路】

近畿の民医連診療所、中小規模病院の教育担当、サブスペシャリティーを持った総合医、プライマリケア医、外来中心医など


【参考】

後期研修3年間のスケジュール(例)
    4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
後期1年 内科総合病棟(西淀) 整外(西淀)   消化器(西淀)
後期2年 神経リハ(東大阪) 循環器(耳原) 産婦(耳原) 小児科(尼崎)
後期3年 診療所(なごみ) 近畿民医連診療所 外部研修

週間スケジュール例(後期1年目:西淀病院での総合内科研修中)
 
  抄読 救急Cf   内科Cf  
午前 なごみ 救急外来 外来(皮膚) 外来(泌尿) 病棟  
午後 病棟 直明け 病棟 病棟 フリー  
当直       小児科  

週間スケジュール例(後期2年目:耳原総合病院での内科研修中)
 
           
午前 なごみ 救急外来   腹部エコー 外来(精神)  
午後 FB 病棟 病棟 病棟    
  画像Cf 感染症Cf   外来(小児)  

週間スケジュール(後期3年目:なごみで診療所研修)
 
    救急Cf   ミニCf  
午前 外来 外来 外来 訪問看護 外来 外来(隔)
午後 往診 FB 病棟訪問 フリー FB  
    夜診   小児科  


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