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2004年、必修化による新しい医師卒後臨床研修制度がスタートしました。初期研修の2年間は、将来の専門科にかかわらず医師としての基本的臨床能力を身につける期間とされ、医師としての人格の涵養と、社会的役割を認識しつつ、プライマリケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けることが、目標とされました。
初期研修の全てのプログラムが、内科、外科、救急、産婦人科、小児科、精神科、地域医療のローテート研修が必修とされました。このため、個々のプログラムの特徴が現れにくくなったともいえます。医学生にとっては、総合病院で指導医数が多いことや救急症例数の数で研修病院を評価せざるを得ない状況ともいえます。また、大病院で、1〜2ヶ月の細切れのローテーションで、全診療科を経験することでプライマリケアを習得できると考えているのではないでしょうか。
初期研修の到達目標で、最も大事なことは、医師としての人格の涵養と、社会的役割を認識した医師としてのスタンスの確立です。患者さんを全人的に診れる能力、予防から慢性期、終末期まで継続的に診れる能力、目の前の患者さんだけでなく地域の健康問題を考えられる能力などが、プライマリケアの基本的診療能力です。
私たちは、この目標の到達には、よくある病気・健康問題に、すぐれた指導医の指導と医療チームのバックアップの中で、患者さんとの距離が近いところで継続的に研修が行えることが望ましいと考えています。臓器別に細切れにされた環境の中で患者を全人的に捉えることはかなりの困難を伴います。患者さんの生活を見ることができ、医学的問題解決だけでなく心理的・社会的な問題点も考慮できる環境で研修することが重要です。
2004年以来、民医連関西臨床研修センターの下で50名が初期研修を行っています。研修医の満足度も高く、初期研修終了後も88%が、民医連の院所で後期研修を継続しています。厚生労働省の2004年度研修開始の研修医に対してのアンケートで、研修病院の規模が500床以上、300〜499床、300床未満と小さいほど、研修プログラムに対する満足度が高く(38.9%、51.6%、58.2%)、大規模病院は診療科間の連携の悪さ、手技の経験、プライマリケア能力の習得、待遇・処遇で不満をもっている研修医が多くなっています。私たちの研修の優位性を裏付けるものです。
私たちの研修理念は、「地域の中で、患者さんの立場にたってチームとして健康問題の解決ができる医師」を育てることです。初期研修では、研修内容が幅広く保障されるようなった反面、問題解決能力の上では深い到達が得られにくい面も有ります。後期研修の中で、総合的な臨床能力の獲得を継続していくべきです。私たちは民医連では、初期研修を修了した研修医はすべて引き続く後期研修を保障しており、民医連外で初期研修を修了し、より総合的診療能力を獲得したい研修医の皆さんにも広く後期研修の門戸を開いています。地域で患者さんとともに医療を行う「夢」と「熱意」を持った研修医の皆さんの参加をお待ちしています。


